インテリアデザインの専門学校に通っていた経験もある大山さんがモノづくりを始めたのはお子さんが幼稚園の頃。今から約10年前のこと。
「幼稚園のお友達のお母さんが作っていた素朴なお人形に惹かれて作り始めたのが最初です。誰かに習ったとかではなく、以前から自分で何かを作る事は好きだったんです」
制作していくうちに「誰かの真似ではなく、オリジナルなものを作りたい」と思い始めたという。
1.色鉛筆の優しい色合いが素敵なオリジナルの手描き絵本。 2.絵本のから飛び出したカマキリ。ちょっとした仕草が可愛らしい
「子供の幼稚園が『お母さん達が卒園アルバム作りに参加する』スタイルで、学生時代に絵を描いていたこともあり、アルバムに使う園の絵や虫などのイラストを描きました。」
取材時に持参していただいた虫を描いた折れ本は、のちに改めて描き直したもの。
「この絵本に描いた虫を実際にカタチのあるものにしてみたい。」これがきっかけとなり、絵本から飛び出した虫達たちは、何とも言えない愛嬌のある表情をしている。
大山さんの作品の主な材料は羊毛のフェルト。恥ずかしながら、フェルトといえばシート状のものしか連想できなかった私に大山さんは材料を見せて下さった。何とも言えないホワホワ感の手触りが気持ちいい。羊毛でなくてもラクダや毛足の長い犬毛でも作れるという。
「フェルトをえらんだ理由は、革製品や毛皮の様に命を奪うことなく、羊を育てている中で自然に出てきた材料だから。柔らかい感触の気持ちよさが、作品づくりをより楽しくしてくれます」
フェルトはお湯や石鹸水を含ませると、互いに絡みやすくなる。この性質を利用して揉んだり、巻いて延ばすなどすると様々な作品を作ることが出来る。
1.フェルトを活かした優しい灯りのハウスランプ 2.人気のスノーマン。ひとつとして同じにならない面白さがあるという
「専用の針でチクチクと刺していくと硬くなってきます。カバンや鍋つかみ、ポットカバーは型にはめて成型しているので縫い目がないのも、フェルトの面白さの一つですね。今気に入っているモチーフのスノーマンは、中身も全てフェルト。針の刺し方で微妙に硬さが変わってきます。チクチクするのに夢中になると、ちょっと硬めに仕上がったりします。」
スノーマンはマフラーや帽子の柄、ボタンの素材など毎年バージョンが異なる。ひとつとして同じ物が 出来ない手作りならでは。
現在、作品はKUGUI COLLECTION(鵠沼海岸)・まいにスープ(茅ヶ崎)で販売しているが、そこにも大山さんのこだわりがある。
「写真はあくまでイメージなので、実際に見て、手に取って『これがいいな』と納得して買ってもらえると嬉しいですね。スノーマンも微妙に鼻の位置が違ったり、首を傾げていたりして個性があります。それに子供達も出来上がりの表情の違いに好みがあるようです。「私はこっちの方が好き」とか感想をくれます。そんな違いの面白さを愉しんでもらいたいです。」
ナチュラルな風合だけでなく、染色された鮮やかな色合いのものは、冬の季節によく似合うし、男性が使う事でワンポイントになる素敵なアイテムにもなると大山さん。
「フェルト=手芸=女性のものという発想に馴染めなくて、男性といえば革製品だけでなく、気軽にフェルトを使って欲しいので、デジカメケースやipodケースも作ってみたいですね」
大山さんのHP 『ChikuChiku * BanBan』
http://chikuchiku.petit.cc/
KUGUI COLLECTION(鵠沼海岸)
http://www.kugui-collection.com/top/top.html
まいにスープ(茅ヶ崎)
http://www.mainisoup.jp/