深く美しい濃紺の皮をこんなに焼いていいの?というくらいに焼く。真っ黒に、すっかりかたくなった皮を一枚一枚剥くように剥がす。中からあらわれるのは、しっとりと柔らかい薄緑色の果肉。なすの甘い香りにほんのり芳ばしい香りもついて。
焼きなすは炭火やガスコンロの上に網をのせて直火でこんがり焼きます。強火で、周りが焦げるのを恐れずに芯まで柔らかくなるように焼きます。中の水分が蒸気となって外へ外へと出ようとするので、破裂を防ぐために焼く前に竹串で数カ所穴をあけておくと良いでしょう。すっかり焦げたら火からはずして皮を剥きます。冷水にさっとつけて皮を剥くのも良いのですが、なんだか水っぽくなってしまいそうなので私はそのまま包丁で剥いて、残った焦げは濡れ布巾で丁寧にふき取ります。出汁などを含ませる場合は温かいうちに。
今回はあさりとあわせて八寸風。漆の黒となすの淡い色の対比が美しい一品です。
あさりはごくシンプルな酒蒸しに。日本酒の代わりにワインを使って洋風に仕上げ、煮汁で作ったゼリーをなすとあわせます。
買ってきたあさりは砂だしをし、よく洗います。鍋にワインと水、アサリ、それに生姜をひとかけ入れて蓋をし、火にかけ、あさりの蓋が空いたら出来上がり。あさり15個くらいに対して水分1/2カップくらいです。今回は一握りのパセリのみじん切りとシェリービネガーを風味付けに加えました。(シェリービネガーはスペインのお酒シェリーを使ったお酢で、魚介類ととても良くあいます。)
鍋に残った煮汁は茶こしなどで漉してゼラチンで固めます。この分量ならばゼラチン2gくらい。焼きなすも一緒に固め、ゼリー寄せにしてしまっても良いでしょう。
焼きなすとあさりをそれぞれ盛りつけて、緩く固めたゼリーをなすにかけます。
冷やしすぎていない白ワインとともに…。