湘南スタイル.jpは頑張る湘南人を応援するサイトです。

私流湘南スタイル

抽象画家 川城夏未さん

居心地のいい生まれ故郷・茅ケ崎の地で
「これからも自分の生き方を続けていけたらいいなぁ・・・」
(連載3-2)

色より質感にこだわっている

抽象画家 川城夏未さん

「いまのような画風になってきたのは、美大の2年生のときです。
いまは油絵の具にミツロウを入れて描いています。それがわたしの作品の質感となっているんですね。絵の中にしかない独特な質感を持つ色がほしかったんです」

川城さんの近年の作品は、赤一色といっていい。その赤も濃淡あり、輝きあり、影あり、流れあり、はじけていたり、躍動感もありと・・・さまざま。
「最初から赤ばかりではありませんでした。ブルーとか黄色をためしてみましたが、ミツロウと混ぜると赤が一番あってるんですね。ほんとうは色にこだわりがあるわけではありません。わたしは質感にこだわっています。いまは赤色の作品ばかりですが、実は生活の中では赤って、あまり好きな色じゃないんですよ。先ほどのミツロウをつかった質感では、赤がわたしの表現したいものに一番合っているからだ、というのもあります」
ミツロウ絵の具の層を掻き削った線、独特な質感が川城作品の特徴。

不安定にバランスを保ち続けながら・・・

抽象画家 川城夏未さん

抽象画の作品を生み出すのに、川城さんはどういう方法をとるのかといえば、やはりオーソドックスな方法だそう。
「エスキース帖、そうですねスケッチブックみたいなものですね」
「これです」とパラパラ見せてくれた。そこにはラフにいろいろなものが描かれていた。
「どうしてもここにこの形がほしい、いびつな楕円が、と感じるんですね」
そこに自然とこころの中に浮かんできたものを描くのだそう。
「でも実際のところ自分でもよくわからないんですね。
友人がいうには"あなたは宇宙と交信しているんじゃないの"と(笑)」

川城さんの作品のタイトルは全て"バランス"。
「これは調和という意味ですが、安定もしているし、不安定の場合もあるでしょ。
そういう広い意味で名づけたのです。大学時代からなんとなくつけたタイトルでもあるんですよ」
個展とか展示会を続けていくと、いろいろな方から「それだとわかりにくい」といわれるので、最近は、絵をみたひとがもっと自由に感じることができるよう、漠然としていて、自由な感覚のある言葉を、副題につけるとのこと。例えば、「出来事」とか「午前2時の家」とか。これは自然に「夜中の家ってどんな感じなんだろう」と想い、つけているそうだ。

絵はそのひとのこころで感じてもらえれば・・・

抽象画家 川城夏未さん

まだしばらくはいまの作風というか画風のまま続けていくという。
「将来、作品はどう変わるか、いまはわかりませんが、おそらく自分が変わっていけば、いままでとは違う作品になるのではないかと思っています」

「絵は自由な気持ちで観てもらいたいですね。絵の主張が強いと、余計むずかしい、近寄りがたいという感じがしてしまい、入っていけません。わたしはこちらの主張はしないで、答えは観ているひとに委ねたいな、そんな絵を描きたいなぁ・・・と思いながら描いています」と強調する川城さん。

抽象画、前衛画は、一般的にはわかりにくいもの、敬遠したいものと、つい思ってしまう。
食わず嫌いというのがあたっているかもしれない。私もそうだった。
若い頃は、「どうしてあんな絵を描くんだろう」と。もう最初から先入観でみてしまう。 ところが川城さんの言葉が頭の中によぎる「こちらの主張はしないで観るひとに委ねる」 「絵はそのひとのこころで感じてもらえれば・・・」と。

1年前、小田原市内で開催された川城夏未展へうかがった。入口から、わーっと大小さまざまな作品が押し寄せてきた。それも赤一色の、一瞬、たじろぐ。そしてギャラリーの中に身を置いた。
最初は、ただの赤い絵と思っていた作品群が、しばらくぼーっと観ていると、不思議なことに最初に観た絵とは違うものに観えてくるから不思議。奇妙な感覚に襲われる。赤い絵の具の質感、色の濃淡、同色で○(まる)や楕円があったり縞模様、斜線が流れている。そのときの自分のこころ、感情によって、その絵はさまざまなものを訴えかけてくるようだ。この奇妙な感覚は、現実には作品の前に立たなければ、実感できない。
それも一つではなく、大小さまざまな作品の前に。小はノートブックの大きさから、大はタテ3mヨコ5mくらいの大作。
ちなみに小は1万円くらいから大作は中型の新車ほどの値づけがされている。

具象の絵、たとえば風景画や静物画などは、わかりやすい絵だけれど、実は観る人全員に同じ印象を与えやすい。富士山の画だとすればまぎれもなく富士山だ。朝焼け夕焼け、海の上、草原と状況は違うにしろ、やはり富士山だ。
そこが抽象画と決定的に違うところ、100人がみれば、100通りの感覚・印象が生まれる。
抽象画のすばらしさはそういうところだという川城さん。

つづく
  • Hatenaブックマークに追加
  • del.icio.usに追加
  • POOKMARK Airlinesへ追加
  • livedoorクリップへ追加
  • ニフティクリップへ追加
  • Saafブックマークへ追加
  • newsingへ投稿
  • Choixへ追加
  • Furlへ追加
  • Blinklistへ追加
  • Redditへ追加
  • Yahoo!ブックマークに追加
この記事に対するトラックバックURL
この記事に関してご意見・ご感想をお寄せ下さい!
この記事に関するご意見・ご感想を是非お寄せ下さい!

※お寄せ頂きましたご意見・ご感想は、
湘南スタイル.jp編集部の認証後ページに反映させて頂きます。

  • 最新エントリーのRSSフィード
  • Add to Google
  • My Yahoo!に追加
  • Subscribe with livedoor Reader
  • はてなRSSに追加
  • エキサイトリーダーに登録