地域とのかかわりというと、やはり子どもが生まれてからですね。安心で安全なものを食べさせたい、きれいな空気の場所で育てたい、そんな思いから「食の安全」に関する活動を始めたのがきっかけです。子どもが大きくなるにつれて、幼稚園や小中学校のPTA活動や子ども会などの役員を引き受けながら、地域では体育振興会や青少年補導員、自治会などの地域活動にも関わっていました。まさに毎日がボランタリーな生活でしたね。
食育・子育て支援・環境活動に携わり市民への普及啓発・行政への提言等をする中で、活動を継続することの難しさや理解や協力を得ることの大変さを実感しました。と同時に、住み良いまちを目指して活動する市民団体とは何と弱い立場なのだろう?誰がこれらの活動を認め、支えてくれるのだろう?と思ったものです。1998年、議員立法により特定非営利活動促進法が可決成立した時の喜びは今でも忘れません。
その後、「社会の課題解決に向けてさまざまな分野で活動しているNPOを支援する活動が重要である」を私自身のミッションとし、約10年間中間支援の現場で仕事をしてきました。現在、地域で活動する団体や市民活動団体の相談に対応させていただきながら、市民活動の活性化に向けて取り組んでいます。
平塚で市民活動団体向けのCB(コミュニティービジネス)講座を企画し、その2回目の講師を理事長に依頼したことがきっかけです。その後、理事長より事務局のお話をいただき、ちょうど前職に区切りをつけたタイミングと重なったこともあり、その年の4月より事務局として入職しました。
コミュニティビジネスの現場を知りたいという思いもあったので、実際に活動に参加しながらそのノウハウを学び、他のNPOへ発信していきたいと考えました。しかしながら、CB/SBを実践、継続することの難しさもまもなく知ることとなりました。
NPOでも事業者でも社会課題解決のための事業を行うことと、組織を円滑に維持運営することは車の両輪と同じで、一方だけが回っても前には進みません。組織の形態が違うたけで根本は同じであるということですね…。
自分自身の仕事に対する考え方や、地域に対する考え方に殆ど変化はありません。ただ、何事にも「長い歴史があって今がある」を、今さらながら実感しています。地域社会の課題や地球規模で考える大きな問題は必ず過去が関係しています。過去のデータと50年、100年先の未来を予測して「今だからこそ、やらねばならぬことをやる」ことが重要と考えています。
「子どもにツケはまわさない」という言葉を度々耳にしますが、その言葉が理念で終わらないように願うばかりです。立場や分野を超えた「未来まちづくり」を協働の理念に沿って多様なセクターの連携により進めていくことが大切ですね。
誰もがいつまでも自分らしく暮らせるまち。
誰もが生きがいを持って生き生きと暮らせるまち。
平和で安心安全なまち。
豊かな自然に恵まれたまち。
そして、思いやりのある人々で埋め尽くされるまち。
そんなまちが理想ですね~。