しみず
正会員

清水 謙

しみず けん

NPO法人湘南スタイル ふれあい畑塾プロジェクトリーダー

ヒトコトデザイン株式会社

あなたの生い立ちや仕事、地域活動に参加するまでの地域との関わりを教えてください。

茅ヶ崎には2010年に都内から移住しました。子供が小学校に進学するタイミングでした。かねてから郊外の自然の豊かなところ、特に海の近くに住みたいと思っていたので、移住先を検討するためにあちこち歩いて回っていましたが、茅ヶ崎は、空が広く明るく、街のゆるやかな雰囲気がとても心地よかったのが印象的でした。

実際に住んでみても印象どおりでしたが、仕事がハードだったため寝るために帰ってくるだけという生活が4年ほど続きました。そのため、せっかく気に入って住んだ街でしたが、週末のイベントに参加する程度で地域への関わりはほとんどありませんでした。

湘南スタイルに参加をしようと思ったきっかけを教えてください。

きっかけは「ふれあい畑塾」で畑を借りたことです。それ以前は、湘南スタイルの存在自体を知りませんでしたし、畑塾の運営組織であることも知りませんでした。畑を借りようと思ったのは、地域との接点につながるかもしれないと感じたこと、実家の岐阜で父が趣味でやっていた米・野菜づくりを手伝った経験があったことも理由でした。

実際に畑を始めてみると、野菜づくりの楽しさはもちろんですが、畑で出会う人たちとのつながりができたことがその後に大きく影響しました。畑仲間とは自然に今後の活動のことを話すようになり有志の活動がスタートしました。そして、イベントなどで湘南スタイルの人たちとも、地域におけるコミュニティ農園の魅力と可能性について話すうちに、利用者でありつつ企画運営に関わることになりました。そういう意味では、地域との接点を探っていたタイミングで偶然出会ったと言えます。

参加をしてみて、地域に対する考え方や仕事など、何か変化はありましたか?

湘南スタイルへの参画は、私自身の独立というキャリアチェンジと切り離せません。

2014年に会社を辞めてコンサルティングや企画の会社を興しました。それまでは主に人材育成や組織開発というテーマで大企業に対するコンサルティングに携わっていました。独立後は、地域の活動や社会課題に取り組む組織や人を支援することや、地域で自らが主体となって取り組むことを志向しました。

そうした方向性を起業時に自社のホームページに載せたのですが、それを湘南スタイルの藁品理事長がご覧になり「目指す方向は同じなので、湘南スタイルがNPOとして10年間で培ってきたネットワークや実績・ノウハウを使って実現したらよい」と言ってくださったことは本当に貴重なご縁でした。

その後は、地域のさまざまな人や活動との接点が広がりました。自分が個人で動いていては、なかなか出会えない、または時間がかかるような機会やつながりが得られたことが最大の変化です。

あなたが考える理想の地域・活動を教えてください。

理想の状態としてイメージしているのは、一人ひとりが自分の心動くことを見つけ、小さくても自分らしいスタイルで活動している、そんな人たちであふれる地域です。

茅ヶ崎という地域は、現時点では顕在化した分かりやすい課題が目の前にある訳ではありません。そのため、問題解決というよりは、一人ひとりの興味関心や楽しさがベースになっていることが重要だと考えます。

では、自分やりたいことが分からない、まだ見つかっていない、という場合はどうするか。まずは地域のさまざまなイベントや参加できる機会に足を運んでみることです。人と関わり自らが体験することで気づくことは多くあります。誰かの活動を手伝うことから始めてもよいと思います。テーマが見つからなければ魅力的だと思う人を中心に選んでもよい。多様な人が参加する機会が幅広くハードル低く用意されていれば、少しずつ参画側にまわる人が増えてくると思います。