ふれあい畑塾

農業の新しいかたち、地元農家が先生に!

農家の後継者不足や相続税の高さなどの背景により、耕作されていない農地が増えていることは地域の課題として顕在化していました。また、農家さんにとっての、農作物の生産・出荷とは異なる形の収入機会を創造したいとの課題感も持っていました。一方で、世間の農業や農的暮らしに対する関心は高まっており、自宅のベランダや行政が募集する農地などで野菜を栽培する人も増えています。但し、ある程度の経験・知識が求められるため、なかなか上手く育たなかったり手がかけられずに挫折することが多いとも言われていました。そこで、都市型農業と言われ住宅地と農地が近いことを活かし、あわせて地元農家に先生になってもらうという形にたどりつきました。

IMG_2821

いざ、コーディネート!

当時、湘南スタイルでは茅ヶ崎市の事業として「おいしい茅ヶ崎」という食のポータルサイトの企画運営を受託していました。その中で地元農家を取材する機会があり、少しずつ関係性ができていきました。湘南スタイルは農業の専門家ではありませんが、ビジネス的な視点や地域住民の視点、また、行政との接点といったコーディネートの役割を果たす要素を持っていました。こうした材料がそろった中で、地元農家の鈴木さんとの出会いがあったことで実際にプロジェクトが進み始めました。やはり、鈴木さんが「面白そうだし、やってみよう」というスタンスで賛同してくれたことが大きな一歩となりました。

IMG_2861

新しいスタイルの農園、スタート!

メンバーとしては、地元農家の鈴木さんと、湘南スタイル側は藁品理事長、坂田事務局長が中心となりました。関係者として、農地利用については農業委員会や茅ヶ崎市の農水課、契約上の考え方などについては税務署にも相談するなど、たくさんの方の協力がありました。

当初の目標としては、地域の農業課題を解決するということは理屈としてはありましたが、まずは新しいスタイルの農園のモデルをつくる、という最初の一歩を形にすることに注力しました。

畑から繋がる、新しい動きへ。

現在のふれあい畑塾は、3農園・40区画が満床となっています。当初のモデルづくりという目標からすると、鈴木さんという1人の農家(=塾長)の指導の下で対応できるキャパシティが埋まるところまできています。契約スキームや、収支面も含めて一定の形になったと言えると思います。但し、利用者への指導方法や農作業のマニュアル化といった仕組みは整っておらず、現状は農家さん依存という面は否めません。

今後は仕組みづくりを進めながら、新しい塾長の発掘と農地の確保により、このモデルを広げていくことが課題となります。また、畑を始めた人の多くは、次のステップとして標準的な品種から自分が育てたいものにチャレンジしたり、土づくりに関心を持ったりしています。収穫した野菜をつかった料理教室やレシピづくり、マルシェでの販売などの動きも出てきました。畑がきっかけとなり、新たな活動が生まれてくる流れを、学びの講座やワークショップなども企画しながら促進していきたいと考えています。

あなたも畑に集合しませんか?!

新たに畑塾を利用したいという方はもちろんですが、食や農に関するイベントやワークショップには、利用者でなくても参加いただきたいと考えています。これまでにも「収穫祭」や「手前みそワークショップ&発酵講座」などを開催しています。定期的にお知らせしていきますので、ぜひご参加ください。

また、企業とのコラボレーションも今後は増やしていきたいと考えています。畑のコミュニティは少しずつ拡大し、現在は区画数で40、家族やグループでの利用もあるため、畑の実質的な利用者は70名以上になっています。畑作業で使用する器具やウェア、イベントでの食材や調味料や器具などの協賛、農業や食への関心層が集まるコミュニティへのテストマーケティングをしたいという場合などはぜひご相談ください。